別居中に児童手当の受取人を変更するには?必要な手続きを解説

妻 娘

子供を連れて別居する時に気になることの1つが児童手当の振込先ではないでしょうか。

今まで夫に振り込まれていた児童手当の振込先を自分に変えたいと思ったら、どのような手続きが必要になるのでしょうか?

今回は、別居中に児童手当の受取人を変更するための手続きを解説します。

夫が受取人の変更に同意してくれればスムーズに手続きできますが、中には、変更を認めてくれない、夫と連絡を取りたくない、というケースもあると思います。

夫が同意してくれる場合、してくれない場合の2パターンで手続きをご紹介しますので、ご自身のシチュエーションに合わせてご覧ください。

別居中に児童手当の振込先を変更する方法

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児童手当の振込先を夫から妻に変更する際、以下の2パターンで必要な手続きが異なります。

  1. 夫が変更に同意してくれる場合
  2. 夫が変更に同意してくれない場合

それぞれ詳しく解説していきます。

①:夫が同意してくれる場合

夫が振込先変更に協力してくれる時の手続きは以下になります。

  1. 前住所で「児童手当・特例給付 受給事由消滅届」を提出
  2. 新住所で「児童手当・特例給付認定請求書」を提出

まず、別居前に夫婦で一緒に暮らしていた住所の役所に行き、「児童手当・特例給付 受給事由消滅届」を提出します。

児童手当・特例給付 受給事由消滅届とは、児童手当を受け取る権利が消滅したことを示し、支給を止めるための書類です。

その後、別居後の新しい住所で妻が児童手当の受給手続きを行えば変更完了です。

②:夫が同意してくれない場合

児童手当には「同居優先」といい、別居中に子供と同居をしている方の親に手当が支給されるというルールがあります。

そのため、夫が児童手当の振込先変更に協力してくれない場合でも受給者を変更できます。(厚生労働省「子ども手当Q&A」)

具体的な手続きは、以下の通りです。

  1. 新住所で「児童手当等の受給資格に係る申立書」「離婚協議中であることを証明する書類」を提出
  2. 審査が通ったら、「児童手当・特例給付認定請求書」を提出

上記の手続きを完了させる上で、次の点をクリアしている必要があります。

  • 住民票を別居先へ移していること
  • 離婚協議中であることを証明する書類を用意すること

つまり、離婚前提の別居であることを役所に証明しなければいけないのです。

例外として、夫からDV等の暴力がある場合には、住民票を移していなくても受給者変更が可能です。

また、離婚協議中であることを証明する書類の例としては、以下のようなものがあげられます。(自治体によって必要書類は異なるので事前に確認してください)

  1. 離婚協議申し入れにかかる内容証明郵便の謄本
  2. 離婚協議書の公正証書
  3. 弁護士等、第三者により作成された書類(例として、弁護士から申請者に宛てた離婚協議の進捗状況報告書等)
  4. 調停期日呼出状の写し
  5. 家庭裁判所における事件係属証明書
  6. 調停不成立証明書の写し等
  7. 公的機関から発行された書類(離婚裁判に係る控訴状の副本・申請者または申請者の代理人に対して裁判所から送達されるもの等)

難しい言葉が並んでいますが、簡単にいうと以下の3つに分類できます。

夫婦だけでも作れる書類 1.離婚協議申し入れにかかる内容証明郵便の謄本

2.離婚協議書の公正証書

弁護士等に依頼した時に貰える書類 3.弁護士等、第三者により作成された書類(例として、弁護士から申請者に宛てた離婚協議の進捗状況報告書等)
調停・訴訟中に発行される資料 4.調停期日呼出状の写し

5.家庭裁判所における事件係属証明書

6.調停不成立証明書の写し等

7.公的機関から発行された書類(離婚裁判に係る控訴状の副本・申請者または申請者の代理人に対して裁判所から送達されるもの等)

離婚調停・裁判に発展した場合、または弁護士に協議を依頼した場合には必要書類は簡単に手に入ります。

別居中で夫婦のみで話し合いをしている状況では、「離婚協議申し入れにかかる内容証明郵便」または「離婚協議書の公正証書」などが有効な書類になります。

内容証明郵便とは・・・郵便の提出方法の1つで郵便の内容や発送日、受取日などを郵便局が証明するもの。

妻から夫へ離婚してほしいという旨の書面を内容証明郵便で提出することで、離婚前提の別居である証明になります。

ただし、内容証明郵便の作成には注意が必要です。

内容証明郵便で送った内容は、もし離婚調停や裁判に発展した時に離婚申し出の証拠として扱われます。

もし提出した内容に不備があれば、自分にとって不利な証拠として内容証明郵便が使われてしまう可能性もありますので、行政書士・弁護士等のサポートを受けることをおすすめします。

【補足】同居してても受給者変更できる場合がある

住民票の移動は多くの自治体で必須になっている条件ですが、例外的に、夫婦が「世帯分離」していれば、同居をしてても別居扱いするという自治体もあります。

世帯分離とは、住民票に登録されていた1つの世帯を、夫と夫婦別々の世帯に分けることです。

世帯分離の手続きは、お住まいの市区町村の住民課で行うことができます。

別居中の児童手当に関するQ&A

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別居中に気になる児童手当に関する疑問にお答えしていきます。

過去の手当を遡って受給することはできる?

受給者変更が遅れてしまい、自分に変更する前に夫に振り込まれてしまったら、それを遡って受給することはできません。

受給者変更は支給日の1ヶ月前くらいまでに完了していないと変更後の口座に振り込まれません。

正確にいつまでに手続きを完了すれば次の支給に間に合うか知りたい方は、自治体に問い合わせしてみてください。

なお児童手当の振込は、6月、10月、2月の年3回です。

受給者変更前に現況確認が届いてしまった時は?

児童手当の現況届では、基本的に受給者本人の健康保険証が必要です。

そのため、変更が完了していなければ夫本人の健康保険証が必要になることになりますが、この場合、自治体に相談すれば、妻の健康保険証や子供の健康保険証で対応してくれることがあります。

具体的な方法は自治体ごとに異なりますので、お住まいの役所に相談してみてください。

変更後に受け取れる児童手当の金額はどうなりますか?

受給者変更後は、妻の収入に応じて児童手当の金額が再算定されます。

夫の収入が制限限度額以上だった方でも自分の収入が所得制限内であれば、変更後に受け取れる金額が増えることになります。

児童手当の所得制限限度額は以下になります。

扶養親族等の数 所得制限限度額(単位:万円) 収入の目安(単位:万円)
0人 622 833.3
1人 660 875.6
2人 698 917.8
3人 736 960
4人 774 1002.1
5人 812 1042.1

 

以上、児童手当の受給者変更の方法について解説しました。

児童手当の受給者変更に伴う対応は、個別の事情や自治体によって変わってきます。

もしご自身の手続きでご不明点がある場合は、まずはお近くの役所で相談してみてください。