現在別居中。離婚が成立していなくても児童扶養手当は受け取れる?

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ひとり親世帯の子育て支援制度の1つである「児童扶養手当」。

離婚後に市区町村に申請をすれば手当を受け取ることができますが、離婚前提で別居中の場合はどうなのでしょうか?

やはり離婚が成立していなければ手当は受け取れないのか。それとも離婚前提の別居で、子育て費用に困っていることが説明できれば受け取ることができるのか。

そうした疑問にお答えするべく、今回は、別居中の児童扶養手当について解説しました。

結論、別居中でも手当を受けることができますが、ハードルはかなり高めです。詳しい内容をご説明していきます。

児童扶養手当を受け取るための9つの条件

赤ちゃん 母

 

児童扶養手当を受け取る条件は以下の通りです。

【児童扶養手当を受け取る条件】

次のいずれかに該当する子どもを養育している場合に支給されます。

  1. 父母が婚姻を解消した子ども
  2. 父又は母が死亡した子ども
  3. 父又は母が一定程度の障害の状態にある子ども
  4. 父又は母が生死不明の子ども
  5. 父又は母が1年以上遺棄している子ども
  6. 父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けた子ども
  7. 父又は母が1年以上拘禁されている子ども
  8. 婚姻によらないで生まれた子ども
  9. 棄児などで父母がいるかいないかが明らかでない子ども

「1.父母が婚姻を解消した子ども」が両親が離婚した場合に当たります。これが児童扶養手当でよく知られている条件だと思いますが、他にも両親が死亡した場合(2)や犯罪などで1年以上拘留されている場合(7)なども支給対象になります。

色々と書かれていますが、ようするに片親状態の子どもは手当を受け取れるということです。

この内、別居中でも条件に主に該当する可能性があるのは、

  • 父又は母が1年以上遺棄している子ども
  • 父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けた子ども

の2つです。

あまり聞きなれない言葉だと思いますので、詳しく解説します。

別居中に児童扶養手当を受け取るのは実質的に難しい?

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夫と妻が別居中に児童扶養手当を受け取れる主な条件は2つありましたが、それぞれどういう意味なのでしょうか?

①:父又は母が1年以上遺棄している子ども

遺棄とは、父と母が同居せずにいずれか一方が子どもの世話や教育を一切放棄することです。

定期的に会う機会があったり安否を気遣う電話や手紙などの連絡があったりした場合には、上記の遺棄には当たりません。

つまり、連絡が一切とれない状態でないと1年以上の遺棄には該当しないのです。

現実的には、別居中に全く連絡をとらないというケースは少ないのではないでしょうか。

②:父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けた子ども

もう1つが裁判所からDV保護命令を受けているケースです。

DV保護命令は、パートナーから身体的な暴力や生命・身体に対する脅迫を受けている場合に、裁判所が加害者に対して被害者へのつきまといなどを禁止する命令のこと。

DV保護命令は違反すると刑事罰になる非常に強い法令措置であり、精神的な暴力や性的暴力はこれに含まれません

裁判所からDV保護命令の申し立てが受理されると、離婚が成立したしないに関わらず児童扶養手当を受け取れる権利を得ます。

別居中にかかる子育て費用はどうしたらいい?

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このように児童扶養手当は別居中でも受け取れるものの、その条件は限られたケースでしか該当しないことが分かりました。

そこで、別居中の子育て費用をまかなうための2つの方法をご紹介します。

①:別居中の生活費をパートナーに請求する

夫婦には、別居中であっても生活費を分担しなければならないという義務があります。

これを法律用語で「婚姻費用の分担」を呼びます。

原則として、収入が多い方が少ない方に対して生活費を支払わなければいけません。

もし相手に支払いを拒否された場合、家庭裁判所に婚姻費用の分担請求を申し立てることもできます

ただし、浮気・不倫など離婚原因が自分にある場合には請求が認められないケースもありますので注意してください。

詳細は以下の記事でご説明しています。

②:児童手当の振込先を自分に変える

別居中でも児童手当の振込先を変更することは可能です。

相手が合意してくれる場合、一緒に暮らしていた時の住所の市区町村役場で「児童手当・特例給付 受給事由消滅届」を、別居先の市区町村役場で「児童手当・特例給付認定請求書」を提出すれば、振込先を簡単に変更することができます。

もし相手が児童手当の受取人の変更を頑なに拒む場合も、以下の2つの条件を満たしていれば同意を得ずに受取人を変更可能です。

  1. 住民票を別居先へ移していること
  2. 離婚協議中であることを証明する書類を用意すること

「2.離婚協議中であることを証明する書類」とは、調停などを行なっていれば、調停期日呼出状の写しなど裁判所の書類でOKです。

夫婦で話し合っている最中であれば、離婚したいという旨を示す書面を相手に郵便局の内容証明郵便で送るか、もしくは離婚協議書を公正証書にする必要があります。

このあたりは、以下の記事でより詳しく解説しています。

 

以上、別居中の児童扶養手当と子育て費用に関する制度についてご説明してきました。

児童扶養手当を別居中に受け取るための条件はかなり限定されていますが、その他にも子育て費用を工面するための権利・制度はありますので、覚えておくと良いと思います。