離婚時における年金分割制度について!具体的な手続き方法を解説!

年金手帳 年金分割

離婚の財産分与において、年金分割制度という仕組みを知っていますか?

簡単にいうと、夫婦のうち結婚生活期間中に扶養に入っていて年金を納めていない方が、離婚後に年金を受け取れるようにする仕組みのことです。

特に熟年離婚の場合、年金分割で得た資金が離婚後の重要な生活の糧となることがありますので、慎重に決める必要があります。

今回はそんな年金分割制度の具体的な手続き方法を解説します。

年金分割制度が何かわからないという方は、まずはこちらをご覧ください。

2種類ある年金分割制度、どっちを利用すればいいの?

年金分割制度には、合意分割と3号分割の2種類があり、それぞれ手続き方法も対象も異なります。どちらを利用すれば良いかは結婚時期や、加入している年金によって異なるので以下で確認してみましょう。

結婚が2008年4月以降なら3号分割のみ!

3号分割制度の対象となるのは、2008年4月1日以降の年金記録です。

したがって結婚が2008年4月以降であり、かつ夫婦の片方が第3号被保険者(配偶者の扶養に入っている人)である場合、年金分割は3号分割を利用することになります。

結婚が2008年4月以前なら併用の可能性も

先ほども申し上げたように、3号分割は2008年4月1日以降の年金記録に対して適用されますが、それ以前の年金記録に対しては、合意分割制度が適用されます。

したがって結婚が2008年4月以前の場合は3号分割と合意分割を併用することになります。なお、この際の手続きは、合意分割手続きをした時点で3号分割手続きをしたとみなされますので、2回に分けて行う必要はありません。

どうやって年金分割するの?合意分割の手続き方法

まずは合意分割の手続き方法からみてみましょう。この手続きは夫婦間での合意が必要なため、合意ができたかどうかで変わってきますので、よく確認してください。

今現在の保険料納付記録を調べる:情報通知書の受け取り

まずは現在の年金について把握することから始めましょう。

「年金分割のための情報提供請求書」を年金事務所に提出することによって情報提供通知書を取得します。

この請求書は、日本年金機構のホームページからダウンロードでき、必要事項を記入して年金事務所に送付すれば大丈夫です。

記入事項が複雑で、抜けや漏れがないか不安という方は、お住いの地域を管轄している年金事務所で直接確認してもらうこともできます。

その他必要書類は以下の通りです。

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本

この手続きは夫婦2人揃ってでも、一人でやることもできます。

記録をもとに夫婦で分割割合を決定、合意する

次に夫婦で記録の分割割合について話し合います。

①夫婦で合意できた場合

合意ができたら、合意内容を書面化して、年金分割の改定請求を行います。

具体的には以下の項目を記載して公正証書にします。

  • 年金分割をすることに合意したという文言
  • 分割の割合
  • 自分と配偶者の氏名
  • 基礎年金番号
  • 生年月日

 

②夫婦で合意できなかった場合

夫婦で合意できなかった場合には、調停という形で調停員が間に入って按分割合決定に関する協議を行います。

ここで決定した内容は調停証書に記され、この証書が分割請求手続きの際に必要になります。

書類を揃えて、年金分割を請求する

一番最初に年金事務所に情報提供通知書を請求すると解説しましたが、この情報提供請求をしただけでは年金分割を請求したことにはなりません。

必要書類を揃えて、年金事務所に提出することで初めて年金分割請求をすることができます。この請求は、合意内容を公正証書に書面化できていれば、一人でもできます。

必要な書類は以下の通りです。

  • 標準報酬改定請求書
  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 年金分割の合意書(公正証書や調停証書など)
  • 身分証明書

 

標準報酬改定請求書に関しては、こちらも日本年金機構のホームページからダウンロードすることができますが、わかりにくいので記入の際は年金事務所で確認した方が安心です。

標準報酬改定請求書(日本年金機構)

通知を受けとって、年金分割を完了する

年金分割の依頼者から分割改定請求を受け取ると、年金事務所は按分割合に基づいて保険料納付記録の改定を行います。

そして改定後に「標準報酬改定通知書」を依頼者に送付します。この通知書を受け取って年金分割は完了です。

3号分割の手続き方法は?

夫婦で合意する必要は無し!一人でも請求できる!

3号分割請求は合意分割請求とは違い、相手の合意が必要ではないため全て一人で請求手続きができます。

按分割合の上限は50%です。

必要書類は以下のようになっています。

  • 標準報酬改定請求書
  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 本人確認書類

2008年4月以前の年金分割について合意ができない場合は?

3号分割の対象となるのは2008年4月以降となるため、それ以前の年金分割について夫婦で合意できない場合は、調停を申し立てて解決する必要があります。

なお、必ずしも全ての期間について年金分割しなければならない訳ではないので、3号分割期間だけでいいから年金分割したい、という場合は3号分割期間分だけを年金分割するのでも大丈夫です。

離婚後でも年金分割請求はできるの?

離婚した後でも年金分割はできます。ただし、請求は離婚から2年以内となっています。

もし離婚してからもうすぐ2年立ってしまうという場合は、情報請求手続きには3〜4週間かかりますので、一度年金事務所に相談して下さい。

請求手続きは早めに!夫婦で話し合い、必要書類を準備しよう!

年金分割は決めなくてはならないことも多く、特に合意分割を利用する際には時間がかかってしまうことが考えられます。

しかし年金分割をするのとしないのとでは、離婚後の生活に大きな差が出てきますから、できれば合意しておきたいものです。

年金分割請求の際には必要書類も多いので、手続きは余裕を持って早めに行いましょう!