離婚に迷った時に活用できる家庭裁判所の「円満調停」とは?

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一度は人生を共にしようと考えた配偶者との離婚は、そう簡単に決断できるものではありません。

離婚を考えるほど深刻な夫婦間のトラブルがあったとしても、心のどこかでは「まだやり直せるんじゃないか」と感じることもあるのではないでしょうか。

とはいえ、二人だけではお互い感情的になってしまい、落ち着いて問題に対処することが難しい場合もあります。

このような時には、一度冷静になり、話し合いができる場を作ることが大切です。

その方法の一つが、今回ご紹介する家庭裁判所による「円満調停」です。

調停と聞くと身構えてしまう方もいるかもしれませんが、円満調停は離婚調停と違い、離婚を回避するための機能を持っています。これは一体どういうことでしょうか?

本記事では、離婚に迷っている妻・夫が利用できる円満調停の使い方を分かりやすく解説していきます。

離婚に悩む夫婦には話し合いが必要!円満調停の内容とは

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家庭裁判所の調停というと、慰謝料や養育費、財産分与などの諸条件に関する話し合いを行う「離婚調停」のイメージが強いと思います。

しかし、実は、調停にもう一種類「円満な夫婦関係を取り戻すための話し合い」を行うものがあります。

それが、円満調停です。正式名称を「夫婦関係調整調停(円満)」と呼びます。

第三者を通じてお互いの関係修復を図るのが目的

円満調停では、第三者である調停委員が当事者双方から夫婦関係が円満でなくなった原因や事情を聞き、どうすれば関係が改善していくかといった問題解決のための助言をする形で進められます。

離婚調停と同様に夫婦はお互いに顔を合わすことなく、あくまで調停委員を通じて話し合いが行われます。

話し合いの結果、改めてお互いに円満な夫婦関係を続けられそうであれば、婚姻関係を継続します。

逆に調停を通じて離婚の意思が明確になれば、協議離婚をしたり、離婚調停に切り替えて、正式に離婚に至ることもあります

調停の結果、婚姻継続をする割合は約2割!

平成28年度の司法統計によると、円満調整申し立て件数3,011件の内、各調停結果は以下の通りとなりました。

【円満調停の調停結果】

内容 件数 割合
総件数 3,011件
離婚 調停離婚 577件 19%
協議離婚 61件 2%
婚姻継続 同居 387件 13%
別居 256件 8%
調停不成立 739件 24%
調停しない 49件 1.6%
調停に代わる審判 7件 0.2%
取り下げ(不詳・話し合いがつかない等) 935件 31%

上記の表から、円満調停を行なった夫婦の約4割が離婚または婚姻継続のいずれかの結論に至っていることが分かります。

円満関係な夫婦関係の回復を目的とした円満調停でも、離婚・継続の割合は1:1となりました。

この結果をみて円満調停に価値を感じるかどうかは、それぞれの考えか方や夫婦の関係状態などによると思います。

二人だけでは話し合いが進まず、第三者が介在することでお互いに納得のいく結論が出せそうであれば一つの選択肢として考えてみても良いのではないでしょうか。

円満調停の申し立てに必要な手続きと費用

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それでは、実際に円満調停の申し立てをする際に必要な書類や手続き、費用を確認していきます。

【円満調停の申し立てに必要な書類と費用】

  • 申し立て先・・・相手方の住所地の家庭裁判所または当事者が合意で定める家庭裁判所
  • 申し立てに必要な費用・・・①収入印紙:1,200円分 ②:連絡用郵便切手:各裁判所に確認
  • 申し立てに必要な書類・・・①申立書(相手方と裁判所用2通)とその写し ②申立添付書類:夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)、その他審理に必要な追加書類

申し立て書は、裁判所HPからダウンロードできます。

各種書類の提出方法と注意点は以下の通りです。

【円満調停の申し立て書類の提出方法】

  1. 調停では自分の主張を裏付ける資料を提出できます。また、調停委員から提出書類について指示があります。(詳しくは各申し立て先の裁判所に確認してください)
  2. 申し立て書は法律の下、相手方に送付されます。その他の書類に関して、相手方への提出が必要なものは、裁判所用と相手方用のコピー2通を提出し、調停日には控えを持参します。
  3. 調停中に一方が提出した書類は、もう一方の相手が閲覧・コピーをすることができます。別居中の居住地など、相手方に知られたくない情報がある場合、コピーはマスキングを行なってください。マスキングができない書類の場合は、「非開示の希望に関する申出書」という書類を記載し、一緒に添付します。

提出が無事終了したら調停が開始されます。調停開始までは申立書を提出してから、約1〜2ヶ月後に設定されます。調停は平日に開催され1回2時間程度、これを調停成立・不成立もしくは取り下げになるまで行います。

調停当日は、それぞれの当事者が待合室で待ち、交互に調停室に入り、調停委員からのヒアリングや話し合いを行い、解決の糸口を探っていきます。

もし婚姻継続になれば、途中で調停を取り下げることもできます。

【補足】円満調停の申立書を作成する時のポイントと注意点

ポイント まとめ

最後に円満調停の申立書(夫婦関係等調整調停申立書)を記入する際のポイントを解説します。

以下の図は裁判所HP記入例より引用しています。

夫婦関係等調整調停申立書1 記入例 円満調停 夫婦関係等調整調停申立書2 記入例 円満調停

【円満調停の申立書の作成ポイント】※図の該当番号を参考にしてください

①申立書を提出する裁判所名を記載

②相手方に連絡先を知られたくない場合は記入不要

③認印を押す

④夫婦が初めて同居した日を記載

⑤何度か別居している場合は、最後の別居日を記載

離婚に迷いがあるなら、一度冷静になれる場を探そう

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以上が円満調停の内容や必要な手続きになります。

少しでも離婚を回避したい気持ちがある、けど二人だけでは話し合いが進まないといった場合は、こうした制度を活用するのも一つの方法です。

また、家庭裁判所以外にも精神医学や臨床心理学などを専門とするカウンセラーによるカウセリングや、飲酒・DV・借金など専門の相談窓口、各都道府県の福祉事務所など第三者への相談先は色々あります。

迷いがある場合は、一人で悩まずにこうした第三者機関へ相談してみると客観的に今の状況を考え直すきっかけになるかもしれませんね。