児童扶養手当っていくら貰える?計算方法を分かりやすく解説!

離婚 お金 手当

ひとり親家庭を支えてくれる、児童扶養手当。

シングルマザー・シングルファザーにとって、欠かせない手当ての1つですよね。

児童扶養手当で貰える金額はお子さんの人数や収入状況によって変わります。

この記事では、実際に手当額はいくらなのか計算する方法を解説します。

令和2年4月1日より条件が代わり、受給対象となる人が以前よりも広がりました。今回は変更後の最新条件に沿って、計算方法を解説します。

児童扶養手当をもらえる条件を確認しよう

手当 助成 児童

まず、児童扶養手当とは、ひとり親家庭の子ども、父又は母が重度障害の状態にある家庭の子どもが、心身が健やかに成長するように、その家庭の生活の安定と自立を助ける目的で支給される手当です。

手当は子どもが18歳となった年度分(3月31日)まで支給されますが、それには条件があります。また、条件に当てはまっても、もらえる手当の額は所得によって異なります。

それぞれ条件を確認していきましょう。

手当を受け取れる条件と支給されない場合

まず、児童扶養手当を受け取れるかどうか当てはまる条件は以下の通りです。

【支給対象になる人】

受給資格に当てはまる子ども(18 歳に達する日以降の最初の3月 31 日までの子ども。なお、障害児の場合には 20 歳未満)を監護する母や父、または養育者(祖父母など)。

【手当を受け取れる条件】

次の9つの内、いずれかに該当することが条件になります。

  1. 【離婚】 父母が結婚を解消した子ども
  2. 【死亡】父又は母が死亡した子ども
  3. 【障害】父又は母が一定程度の障害の状態にある子ども
  4. 【生死不明】父又は母が生死不明の子ども
  5. 【遺棄】 父又は母から1年以上遺棄されている子ども
  6. 【保護命令】 父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けた子ども(平成24年8月から)
  7. 【拘禁】父又は母が1年以上拘禁されている子ども
  8. 【未婚】婚姻によらないで生まれた子ども
  9. 【遺児】遺児などで父母がいるかいないかが明らかでない子ども

ただし、次の4つの内いずれかに当てはまる場合は、上記の要件に該当していても手当は支給されません。

【支給されない場合】

  1.  子どもが請求者の配偶者(事実婚もここに含まれます)に養育されている
  2.  子どもが児童福祉施設などに入所している
  3.  子どもが里親などに委託されている
  4.  手当を受けようとする人、対象となる子どもが日本に住んでいない

例えば、よくあるケースとして、離婚後に新しい恋人と同棲をはじめたケースがあります。この場合も、同棲という形でも内縁関係として支給されない可能性があったり、不正受給にあたることもあります。

以上が支給対象と対象外になります。

上記以外でも、これって該当するのか分からない…となる場合は各自治体の窓口で聞いてみることをおすすめします。

年間所得によって貰える金額が変わる

手当の支給対象に当てはまるとはいっても支給される手当の額は人によって異なります。

なので実際に自分の手当額を知るには以下2つを計算しなければなりません。

  • 児童扶養手当対象となる年間所得額
  • 一部支給の場合の手当額

 

以下から算出方法を解説します。

 

児童扶養手当の支給額は申請者(保護者)一人の年間所得と子どもの人数によって変わります。自分の年間所得額を知りたい方は、次の「児童扶養手当で受け取れる金額を計算しよう」の章で調べ方を解説しています。

毎年、11月1日から翌年の10月31日までを支給年度として、年単位で手当の額が決定されます。

手当の種類は「全部支給」と「一部支給」があります。

名前の通り、手当の満額を支給されるのが「全部支給」で手当が満額ではなく一部なのが「一部支給」となります。所得の制限で「支給なし」となることもあります。

「一部支給」は例えば子どもが1人なら、約1万円~約4万円まで幅があります。

どれだけの額を受け取れるかはは申請者の年間所得額によって変わります。

以下の表は18歳以下の子どもの人数に対応する受け取れる手当の年間所得額の上限です。

子どもの人数 全部支給の年間所得上限 一部支給の年間所得上限
0人 49万円 192万円
1人 87万円 230万円
2人 125万円 268万円
3人 163万円 306万円
4人 201万円 344万円
5人 239万円 382万円

(令和元年10月~令和2年9月申請分)

例えば子ども一人で前年の年間所得が180万円の場合、全部支給の上限87万円は越えていますが、一部支給の上限230万円は超えていないので、手当一部支給を受け取れることになります。

同じく子ども一人で年間所得が70万円の場合は、全部支給上限の87万円以下になるので、手当全部支給を受け取れることになります。

ここで注意が必要なのは、手当を申請する月によって対象となる年間所得が変わることです。10月、11月、12月に申請すれば前年度の年間所得になりますが、1月から9月に申請した場合は前々年度の年間所得分になります。

つまり、2020年の4月に請求書を出す場合は、2018年度の年間所得が対象となり、それで支給される手当額が決まります。

では実際の児童扶養手当額を見ていきましょう。

令和2年の4月から手当額が増えて金額が変わっています。

(平成30年8月~令和2年3月まで)

令和元年11月から令和2年3月分まで
子どもの人数 全部支給 一部支給
1人 42,910円 42,900円~10,120円
2人 53,050円 1人目の手当額+10,130円~5,070円
3人 59,130円 2人目の手当額+6,070円~3,040円を加算

(令和2年4月から)

令和2年4月から
子どもの人数 全部支給 一部支給
1人 43,160円 43,150円~10,180円
2人 53,350円 1人目の手当額+10,180円~5,100円
3人 59,460円 2人目の手当額+6,100円~3,060円

全部支給は3人目以降1人につき、子ども2人の全部支給53,350円に6,110円を足した額が支給されます。

例えば、お子さんが4人で全部支給の場合、53,350円+6,110円×2=65,570円が支給額となります。

以下から具体的な数字で計算方法を解説します。

児童扶養手当で受け取れる金額を計算しよう

手当 計算 所得

児童扶養手当で対象となる年間所得額を求める方法は、以下の計算式になります。

年間所得額=給与所得控除後の金額(※①)+年間の養育費(×0.8)-8万円(※②)-各控除額

 

(※①)給与所得控除とはお給料を貰う人の税負担(所得税)などを軽くするものです。個人事業主あるいはフリーランスの人であれば、所得金額(収入から通信費や交通費などの必要経費を除いた額)になります。

(※②)この8万円は社会保険料の相当額として一律に受給資格者の所得額から控除されているものです。

下から「給与所得控除後の金額(もしくは所得金額)+年間の養育費(×0.8)-8万円-各控除額」の各項目を解説していきます。

ステップ1.給与所得控除後の金額を確認

ここで気を付けてほしいことは、自分が手当の対象となるか調べるときに見る数字は年収ではないということです。

どこの数字を見れば良いかというと、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄(赤い枠内)で確認することができます。

源泉徴収票 児童扶養手当 所得上限

源泉徴収票はお勤め先で手に入れることができます。

もし失くしてしまった場合でも、源泉徴収票は作成・管理が義務付けられているため、お勤め先にお願いしたら再発行することが可能です。

事業主やフリーランスの方は確定申告書の「所得金額」の欄で確認することができます。確定申告書の控えが無い場合は税務署で再発行してもらいます。

ステップ2.養育費がある場合は80%を加算

養育費を受け取っている場合、養育費の8割分も自分の年間所得の計算に含まれます。

つまり養育費が多ければ多いほど、児童扶養手当は減ることになります。

養育費の額は自己申告ですが、虚偽や怠った場合は不正受給となってしまいます。

例えば、養育費が48万円(月4万円)の場合は

48万円×0.8=38万円4千円を給与所得控除後の金額(もしくは所得金額)に足します。

ステップ3.合計額から控除を差し引く

給与所得控除後の金額(もしくは所得金額)+養育費8割から以下の当てはまる控除を差し引きます。

控除には、差し引ける額が決まっているものと個人によって金額が異なるものがあります。

差し引ける額が決まっている控除は以下の通りです。

所得額から差し引ける諸控除
控除項目 控除額
老人扶養親族 100,000円
老人控除対象配偶者 100,000円
特定扶養親族及び控除対象扶養親族 150,000円
特別障害者控除 400,000円
障害者控除 270,000円
勤労学生控除 270,000円
寡婦(夫)控除 270,000円
特別寡婦控除 350,000円

その他、個人によって金額が異なる控除には以下のものがあります。

  • 医療費控除
  • 雑損控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 配偶者特別控除

これらの控除額の計算方法は、国税庁HPより確認できます。

自分の所得金額に当てはまる控除を引き忘れてしまうと、その分所得が多いと見なされて、児童扶養手当の支給額が減ってしまうので気を付けましょう。

ステップ4.算定表から自分が貰える金額が分かる!

ここで計算式を一通り、具体例でシミュレーションしてみましょう。

【具体例】

  • 給与所得控除後の金額180万円
  • 6歳の子どもが1人
  • 養育費36万円(月3万円)

上記のケースで児童扶養手当を受け取るための年間所得額を計算すると

180万円+(36万円×0.8)-8万円=200万8000円

となります。

児童扶養手当は年間所得額によって支給されるかされないか、または全部支給か一部支給かがきまります。

子どもの人数 全部支給される年間所得の上限 一部支給される年間の上限
0人 49万円 192万円
1人 87万円 230万円
2人 125万円 268万円
3人 163万円 306万円
4人 201万円 344万円
5人 239万円 382万円

子どもが1人で年間所得200万8千円は、一部支給される年間所得上限の230万円以下なため、この上の表で一部支給に当てはまることが分かります。

令和2年4月から
子どもの人数 全部支給 一部支給
1人 43,160円 43,150円~10,180円
2人 53,050円 1人目の手当額+10,180円~5,100円
3人 59,130円 2人目の手当額+6,100円~3,060円

一部支給の場合、子どもの数に相当する一部支給額の上限の数字から引いていく計算になります。具体例の方は子どもが1人なので、43,150円から引いていきます。

一部支給額を求める計算式は以下のようになります。

(この式は令和2年4月分~)

第1子=43,150円-{(所得額-全部支給の所得限度額)×0.0230559}

第2子=10,140円-{(所得額-全部支給の所得限度額)×0.0035524}

第3子以降=6,080円-{(所得額-全部支給の所得限度額)×0.0021259}

{ }内の学については、10円未満は四捨五入します。

具体例の子どもは1人なので計算式は

43,150円-{(180万円-87万円)×0.0230559}

=43,150円-21,440円=21,710円

2万1710円が児童扶養手当として支給される額となります。

実際にご自身の年間所得額を出して、児童扶養手当額を確かめましょう。

児童扶養手当はいつからまで貰える?3つのポイントを解説

手当 期間  

手当額が分かったら、支給期間や振り込まれる月日など、制度自体について解説します。

①申請タイミングによって支給月は異なる

支給月は奇数月の1,3,5,7,9,11月の年に6回あります。(令和元年11月から、2ヶ月に1回の支給となりました。)

令和2年度支給日

基本的に11日支給ですが、年末年始や土日の場合はその直前の金融機関が営業している日に支給されます。

支払期 支払予定日
11月~12月分 令和2年1月15日(水)
1月~2月分 令和2年3月11日(水)
3月~4月分 令和2年5月11日(月)
5月~6月分 令和2年7月10日(金)
7月~8月分 令和2年9月11日(金)
9月~10月分 令和2年11月11日(水)
11月~12月分 令和3年1月11日(月)
令和3年1月~2月分 令和3年3月11日(木)

気を付けて欲しいのは、支給が始まるのは申請の請求認定をもらった日が属する月の翌月からになります。

例えば、離婚を決定したのが2月13日の場合、申請を2月中に出せば、3月分から手当を受け取ることができ、申請が3月以降になると、4月分からの手当からしか受け取れません。

なお、審査は大体2ヵ月程度かかるので、2月に申請した場合でも、実際に振り込まれるのは4、5月頃になります。

書類に不備があって申請完了が月初めになってしまっても翌々月からの支給になるので、余裕をもって申請することが重要です。

1か月で全部支給だと43,150円、一部支給でも10,180円からあるので、この差は大きいですよね。

書類に不備があって申請完了が月初めになってしまっても翌々月からの支給になるので、余裕をもって申請することが重要です。

また「離婚してから5年経っているけど、その5年分の児童扶養手当は受け取れる?」と思う方もいるかもしれませんが、既に過ぎてしまった分の手当を受け取ることはできません。離婚したらすぐに申請することが大切です。

②基本は子供が18歳になるまで。ただし条件から外れると打ち止めに。

児童扶養手当は認定請求した日の月の翌月から、子どもが18歳となる年度(3月31日まで)の期間まで支給されます。

また、児童扶養手当を受給している人は、「児童扶養手当現況届」の提出が必要です。

これは、前年の所得状況と8月1日現在の子どもの養育状況などを確認するためのものです。

毎年7月末に自治体から郵送でお知らせがあるので、本人がお知らせで指定された窓口に現状届を8月中までに提出してください。

提出がない場合は、8月分以降の手当を支給できません。また、2年間現況届を提出しない場合、 手当の受給資格はなくなります。

また住所変更などの各種変更届、額改定届・請求書(子どもの人数に増減があった場合)も受給中に必要となる主な届出となります。

 

③申請から5年経つと、半額受給になる可能性も

申請から5年経過すると、原則手当額の2分の1が支給停止になります。

ただし、以下のいずれかの条件に該当する場合は減額されません。

【児童扶養手当が減額されない対象】

  • 就業している。
  • 求職活動等の自立を図るための活動をしている。
  • 身体上又は精神上、一定の障害がある。
  • 負傷又は疾病により就業することが困難である。
  • 児童又は親族が障害、負傷、疾病、要介護状態にあり、介護する必要がある。

5年経過あたりになると役所からお知らせが郵送で届くので、そこで書かれている必要書類提出することだけ忘れないようにしてください。

必要書類は主に上記にある減額されない対象に当てはまるものを証明するものになります。例えば、就業しているとしたら就労証明書などです。基本的に各自治体の窓口でもらうことができます。

期間になったら迅速に各自治体の窓口(「福祉課」「子育て支援課」「子育て給付係」など)へ提出してください。

また、万が一、偽りの申告など不正な手段で手当を受給した場合については、児童扶養手当法に基づいて、

  1. 支払った額を全額返還
  2. 3年以下の懲役又は30万以下の罰金

のいずれかに罰せられることがあるので、十分ご注意ください。

児童扶養手当の必要書類と申請の流れ

ポイント 気付き 発見

児童扶養手当に当てはまる方はすぐに申請しましょう。

受けるまでの流れは簡単に①相談②申請③審査④支給決定、となります。

①各自治体の窓口で相談(面談)

実際に児童扶養手当を申請するとなったら、まず窓口へ行きます。

申請窓口は各自治体によって名称が異なります。「福祉課」「子育て支援課」「子育て給付係」など専用の窓口があるので、お住まいの地域で事前に確認してください。

児童扶養手当は原則として申請者本人が窓口にて申請する必要があり、郵送での申請や本人以外が代行した申請は受け付けていません。

また申請できる時間帯は、例えば品川区だと平日の午前8時30~午後5時のみの受付となっているように、平日の夕方までしか開いていないことが多いので注意が必要です。

②児童扶養手当の申請

相談して実際に必要書類などを確認したら、申請をします。

まず申請には身分証明など必要なものがあるので準備しておくことが大切です。

【申請に必要なもの】

  1. 親子で1通ずつ戸籍謄本の原本(発行から1か月以内)
  2. 申請者名義の預金通帳
  3. 印鑑(スタンプ不可)
  4. マイナンバー確認書類(通知書・住民票などの身分証明書)
  5. 写真付きの本人確認書類(運転免許証や、パスポート)
  6. 年金手帳
  7. 賃貸借契約書・登記簿謄本

また上記に加えて、世帯の状況(障害に関するものや、住所と居所が異なるなど)によってまた別で書類等が必要になる場合があるので実際の窓口での相談での確認が確実です。

ここで必要なものが揃ったら、手当の認定請求書を書き、提出します。

ちなみに児童扶養手当認定請求書の記入例(昭島市の例です)は以下の通りです。参考にしてみてください。

児童扶養手当 記入例 児童扶養手当 記入例

③受給資格の審査

申請が完了したら、次は申請した自治体で実際に手当の対象かどうかの審査期間に入ります。

申請した月の翌月分から支給対象になりますが、審査結果がでるまで2ヵ月ほど(死亡・障がいの理由で申請のときは4~5ヵ月)かかります。審査結果が出しだい文書でお知らせがきます。

審査が通過した人には児童扶養手当証書が届きます。

児童扶養手当証書が所得制限による所得超過で手当が支給されない方は、通知文書のみとなります。

④児童扶養手当の支給スタート

認定されたら、児童扶養手当の支給が始まります。

また、現状届出に加えて、再婚や子どもが18歳を過ぎたなど受給資格に当てはまらなくなった時は手当を受ける資格がなくなるので、必ず資格喪失届を提出しましょう。

不正受給になったら刑罰や全額返還など、より負担となってしまうので気を付けて、正しく児童扶養手当を活用し、是非、お子さんとの生活に役立ててください。

 

また、児童扶養手当は児童手当とも併用できます。

他にもひとり親家庭の方のための助成や手当があるので併用できるものは活用していきましょう。