離婚時の車の財産分与を徹底解説!計算方法から名義変更まで

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離婚することを決めたら、家や貯金などの財産分与について話し合う必要があります。

車を持っている場合は、車もその財産分与の対象になります! しかし、車を真っ二つにするわけにもいきませんよね。

基本的には車を売ってそのお金を二人で分けることになります。

ですが、どちらかが車に乗り続けたい場合や、車のローンがまだ残っている場合はどうすればいいのでしょうか。

今回の記事では、車の財産分与について徹底的に解説していきます。

離婚時の車の財産分与の方法は大きく2つ!

お金 車 ローン 借金 

まず、車の財産分与をする前に、車の離婚時点での価値(=時価評価額)を自動車販売店などに査定してもらいます。購入時の金額での財産分与ではなく、時価になることに注意してください。

車の時価評価額が分かったら、財産分与の方法は2つあります。

  1. 売却してお金を分配する
  2. 車に乗り続ける側が相手に相当額支払う

売却する場合、どちらかが乗り続ける場合、いずれの場合もローンの有無によって、財産分与の方法や計算方法は変わっていきます。

次から具体例を挙げながら解説していきます。

①売却してお金を分配する

自動車を売却する場合、ローンがある場合とローンがない場合で計算方法が異なります。

基本的な計算方法は

(時価評価額-経費)×1/2

ですが、ローンが残っている場合は、時価評価額から経費だけではなく、ローン残高も差し引きます。具体例で解説していきます。

【具体例】

・購入時200万円

・時価評価額130万円

・経費が2万円

  • ローンがある場合(ローン残高50万円)

130万円-50万円-2万円=78万円

78万円×1/2=39万円

39万円ずつ現金で受け取る

  • ローンがない場合

130万円-2万円=128万円

128万円×1/2=64万円

64万円ずつ現金で受け取る

もし、ローン残高が売却額を上回るオーバーローンの場合は車は財産分与の対象となりません。

しかし借金は財産分与の対象になるので、売却して残ったローン残高を1/2して各々がその後も払うことになります。

【具体例】

・購入時価格200万円

・時価評価額100万円

・経費1万円

・ローン残高120万円

100万円-1万円-120万円=̠▲21万円

-21万円×1/2=▲10万5000円

各々10万5000円ずつローンとして支払う

売却の方法は以上ですが、慣れ親しんだ愛車に乗り続けたいという方もいらっしゃると思います。

次から愛車にどちらか一方が乗り続ける場合について解説していきます。

②乗り続ける側が相手へお金を払う

車を売却せずにどちらかが乗り続ける場合は、車を所有する側が所有しない側へ、評価額から経費を差し引いた金額の1/2を支払い、名義変更により譲渡します。

【具体例】

・購入時200万円

・時価評価額130万円

・経費が2万円

130万円-2万円=128万円

128万円×1/2=64万円

車を所有する側が所有しない側へ64万円を支払う

ローンが残っている場合の譲渡は?

気を付けてほしいことはローンが残る場合は名義変更ができないということです。

もし、名義を移したい場合は、その前にローンを完済する必要があります。財産分与の際に完済できればいいのですが、その場ではできない時もありますよね。

「妻が乗り続けて、ローンを夫がそのまま払い続ければ?」と思うかもしれませんが、使用者と名義が異なると、違法になってしまいます。

違法を気にせずに乗り続けたとしても、例えば、このまま夫がローンを支払えなくなったりした場合、車が差し押さえになったりしたら妻が一番困りますよね。

ローンが残っている車には注意しましょう。

自動車を高く売却するための6つのポイント

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車の財産分与の方法を把握した上で、売却しよう!となったら「できるだけ車を高く売りたい!」というのが本音ですよね。

節約するところは節約したり、また可能ならば売却するタイミングも見計らうと高く売れる可能性があります。

売却する際の6つのポイントを順に解説していきます。

①売却する際の業者手数料を節約

自動車買取業者などで車を売却する際、時価評価額が全額手元にくるわけではありません。仲介手数料などがかかります。

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ここでいう経費とは以下の4点です。

  1. 査定料
  2. 車の引き取り費用
  3. 名義変更手数料
  4. 印紙代

時価評価額から実際に手に渡るのは以上4点の経費を差し引かれた金額となります。経費合計の相場は大体1~2万円程度です。

車の引き取り費用は自身が業者の店舗まで運転すれば発生しないので、ここで経費の節約することができます!

②査定先は複数社に見積もりをお願いする

複数社に車の見積もりをお願いすると、相場が分かって交渉しやすくなったり、より高値のところで売却することができます。

③売却時期も大切

1~3月、9~10月がボーナス時期と被り、車の需要が高まり、やや高く売れる時期です。

しかし、前提として1日でも早く売る方が価値は高くなるので気を付けてください。

例えば9月の高く売れる時期に車の売却を考えたとき、現時点が5月であれば9月まで待つよりも早めに売却したほうが高く売れますし、現時点が8月なら9月まで待ったほうが高く売れることが多いです。

また、毎年4月1日の時点で車の所有者に対して自動車税が課税されるので、課税される4月の前に売却することもオススメです。

④走行距離が大台に乗る前に

車は、走行距離が短いほど買取価格も高くなります。
中でも3万km、5万km、10万kmといった、キリが良い数字を超える前に手放すかどうかで、買取価格が大きく変わってきます。

例えば、走行距離が4.9万kmと5.1万kmの車があるとします。
この2台の走行距離は「4.9」と「5.1」という数字が持つ印象の効果により、実際の0.2万km 以上に差があるように見えてしまいます。
そのため、大台に乗る前に車を手放すと、高く買い取ってもらいやすくなります。

⑤「下取り」よりも「買取」を選ぶ

同じように見える「下取り」と「買取」ですが、実は全く異なります。
一般的に、「買取」の方が「下取り」よりも高値がつくことが多いです。

下取りは「お店に車を買いに来た人を対象」にしているため、お客さんの関心も新しい車の値段に向いており、下取り価格の交渉になることは少ないです。
また、他のお店ともあまり比較されないため、下取り価格は低くなりやすい傾向があります。

一方で、買取の場合は数ある買取業者との間で査定額の競争になります。そのため、店の在庫や市場感と併せて、需要のある車なら他店より高い金額を提示して、車を買い取ろうとします。

⑥小さな傷は消しておく

擦り傷やステッカーの跡など小さなキズは、市販の研磨剤などを使い自分できれいにしてから売却した方がより高値を言い渡される可能性が高いです。また、軽く掃除をしておくことも大切です。

板金修理が必要な大きなキズやヘコミなど修理代が高くなるものはそのまま売却するのが良いかもしれません。

 

以上が車を売却する際のポイントでした。

車を売却せずに、どちらか一方が乗り続ける場合に気を付けて欲しいことは「車の名義がどちらになっているか」ということです。もし、乗り続ける側の名義ではない場合、車の「名義変更」が必要になってきます。

また、自分名義の車だとしても離婚して名前や住所が変わる場合、「車検証の変更手続き」も必要になります。

車の名義変更、車検証の変更手続きについて次から順に解説していきます。

どちらか一方が車に乗り続ける場合の名義変更手続きに必要なもの

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相手名義だった車を離婚時に譲渡してもらい乗り続けるとしたら、相当額を相手に支払うだけでなく、車を相手名義から自分名義に変更しなくてはいけません。

その場合、新たに車を使用する住所を管轄する運輸支局で、名義変更手続きを行う必要があります。

ここでは名義変更手続きに必要なものを解説していきます。

車の名義変更の際の必要書類

車の名義変更をする際には多くの必要書類があります。

名義変更の手続きをする運輸支局までせっかく足を運んでも、必要書類に不備があると名義変更ができなくなってしまい二度手間になるので、必要書類を不備なく用意しておくことが大切です。

必要書類 入手場所
譲渡証明書 国土交通省HPでダウンロード
旧所有者・新所有者の印鑑証明書 お住まいの市町村役場
旧所有者の委任状 国土交通省HPでダウンロード
車検証(自動車検査証) 所有している自動車
車庫証明書 車庫の住所の管轄の警察署
申請書(第1号様式) 当日運輸支局の窓口で用意
手数料納付書(自動車検査登録印紙を添付) 当日運輸支局の窓口で用意
自動車税・自動車取得税申告書 当日運輸支局の窓口で用意
新所有者の印鑑証明書の印鑑 各自で準備
戸籍謄本・住民票(車検証の氏名や住所が変わっている場合) 本籍地のある市町村役場
ナンバープレート交付手数料(自動車登録番号が変更になる場合) 当日支払い

申請書、手数料納付書、自動車税・自動車取得税の申告書については、当日の運輸支局の窓口で用意し、記入することになります。あらかじめどんなものか知りたい方は国土交通省HPで確認することができます。

車の名義変更にかかる費用

車の名義変更には手数料などのお金がかかります。近くにATMがない場合もあるので、あらかじめ現金で用意しておくことが大切です。

  • 移転登録手数料500円
  • 車庫証明書の取得費用2500~3000円
  • ナンバープレート代(変更がある場合)1500円程度

 

必要書類と必要経費を準備できたら、手続きを行う運輸支局の場所を確認します。

次から名義変更の当日の流れを解説します。

車の名義変更の当日の流れ

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必要書類が準備出来たら当日は5ステップで車の名義変更が完了します。

  1. 用紙の入手・作成
  2. 登録手数料の支払い(印紙の購入)
  3. 窓口に書類の提出
  4. 車検証の交付
  5. 税金の申告

以下から名義変更当日の流れを詳しく説明します。

①用紙の入手・作成

ここでいう用紙とは以下3点です。窓口で記入します。

  • 移転登録申請書
  • 手数料納付書
  • 自動車税・自動車取得税申告書

②登録手数料の支払い(印紙の購入)

ナンバープレートを変更しない場合は全て含めて約3500円程度かかります。

変更する場合は約5000円程度です。

③窓口に書類の提出

書類を全て窓口に提出し、車検証を交付されるまで待ちます。

待ち時間は長くなることが想定されるため、暇つぶしとなる本などを持っていくことをオススメします。

④車検証の交付

窓口で名前(または整理番号)を呼ばれ、新しい車検証の交付を受けます。

交付された車検証に記載ミスなどがないか、必ず確認を行って下さい。

⑤税金の申告

運輸支局場内の自動車税事務所などの税申告窓口に、作成を行った自動車税・自動車取得税申告書と車検証を提出します。

自動車取得税がかかる場合は、こちらで計算が行われ金額が提示されますので、続けて納税を行って下さい。

ナンバーの変更を伴わない場合は、こちらで名義変更は終了となります。

ナンバーの変更がある場合は、ナンバーの返却、新しいナンバーの交付、ナンバーの封印で名義変更が終了となります。

離婚して名前や住所が変わるなら車検証の変更が必要!

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また車の名義が自分のもので、名義変更が不要でも離婚で名前や住所が変わる場合は車検証を変更しなくてはなりません。

自動車税の郵便物を見落としたり、運転中に職質された際に罰金などを課せられないためにも早めの変更をオススメします。

次から車検証の変更手続きについて解説していきます。

車検証変更手続きの必要書類

車検証の変更手続きをする際には多くの必要書類があります。

手続きをする運輸支局までせっかく足を運んでも、必要書類に不備があると車検証の変更ができなくなってしまい二度手間になるので、必要書類を不備なく用意しておくことが大切です。

必要書類 入手場所
戸籍謄本(発行日から3ヵ月以内のもの) 本籍地のある市町村役場
委任状(所有者の認印の押印があるもの) 国土交通省HP
車検証 所有の自動車
手数料納付書 当日運輸支局の窓口で用意
自動車税・自動車取得税申告書 当日運輸支局の窓口で用意
申請書(第1号様式) 当日運輸支局の窓口で用意
住民票の写し 本籍地のある市町村役場
車庫証明書 車庫の住所の管轄の警察署

車検証変更手続きにかかる費用

車検証の変更手続きには手数料などのお金がかかります。近くにATMがない場合もあるので、あらかじめ現金で用意しておくことが大切です。

  • 変更登録手数料350円
  • 車庫証明書の取得費用2500~3000円
  • ナンバープレート代約1500円(変更する場合)

必要書類とかかる費用を準備できたら、手続きを行う運輸支局の場所を確認します。

車検証の変更手続きの当日の流れ

必要書類が準備出来たら車検証の変更当日の流れは以下の通りです。

【車検証変更の当日の流れ】

  1. 用紙の入手・作成
  2. 登録手数料の支払い(印紙の購入)
  3. 書類の提出
  4. 車検証の交付
  5. 税事務所へ変更内容の申告

流れの詳細は名義変更の当日の流れと同様のため省略します。

月末の繁忙期は、窓口に書類を提出するまでに長蛇の列となっていたり、新しい車検証の交付まで1時間以上かかることもあるので、時間にゆとりを持つことが重要です。

また名義変更でも車検証の変更でも、運輸支局の登録・検査申請受付できるのは平日のみになります。

土・日・祝日・12月29日から1月3日を除く平日の以下の時間が受付時間です。

午前 午後
登録申請受付時間 8:45~11:45 13:00~16:00
検査申請受付時間 8:45~11:45 12:45~15:45

※ここの登録申請と検査申請は名義変更の際、原則同時に行います。

手続きによって受付開始時間または受付終了時間が異なる場合がありますので、管轄の運輸支局へお問い合わせください。

 

以上が譲渡による名義変更と車検証変更についての解説になります。

最後に、今財産分与に考えている車がそもそも財産分与の対象とならない場合もあります。

対象外に当てはまっていないか以下から確認してみてください。

【補足】そもそも車が財産分与の対象にならないケースもある!?

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車が財産分与の対象になるのは、結婚してから二人で築いた財産で購入した場合のみで、結婚前にどちらかが購入した車は該当しません。

以下も財産分与の対象に当たらないケースになるので、確認してみてください。

別居中に購入した場合

離婚の前に別居し、その間に車を購入した場合は二人で築いた財産に当たりません。

といってもいつのお金を使ったのかを注意しなければなりません。

別居後に作った資産で車を購入した場合は財産分与の対象ではありませんが、別居前の貯金を車の購入に充てた場合は財産分与の対象になることがあります。

例えば、別居後の給料の積み立てで購入した車は財産分与の対象にはなりません。

しかし、二人の預貯金から150万円の中古車を別居後に購入した場合、乗っていたのが自分一人だけでも財産分与の対象になります。

このまま自分が乗り続ける場合、時価評価額-経費×1/2の金額を相手に支払わなくてはなりません。

両親が買ってくれた場合

どちらかの両親が買ってくれた場合は二人で築いた財産に当たらないので財産分与の対象にはなりません。

難しいのが購入資金の一部を一方の親が出し、残りを夫婦で支払った場合ですが、この場合は夫婦で支払った部分のみが財産分与の対象になります。

ただし、車の価値は購入時とは同じではないため、車の現在の価値に照らし合わせ、どれくらいの割合を夫婦で支払ったかを考えて財産分与額を決めることになります。

下から具体例でシミュレーションしてみます。あくまで例なので、参考程度に見てください。

【具体例】

・購入時200万円

・義両親が半額の100万円出してくれた

・時価評価額140万円

・経費2万円

140万円×1/2=70万円(夫婦で支払った分)

70万円-2万円×1/2=34万円

34万円ずつを二人で分配する

以上が財産分与の対象外となる車の例でした。

長年連れ添った愛車だからこそ、財産分与のときは悩ましいですよね。

原則、車の財産分与の仕方は買取価格の1/2の金額を分配になりますが、ローンが残っている場合などは注意が必要です。

また、離婚する前に売却や譲渡を済ませておいた方が、名義変更などの際に手間が離婚後よりも省けるので、財産分与のタイミングも合わせてお二人でよく話し合うことが大切です。

車以外の財産分与について知りたい方はこちらをご覧ください。