養育費をきちんと貰いたい!養育費調停の手順と準備するべきこと

話し合い 夫婦 喧嘩 離婚

離婚をするとき、お子さんがいれば養育費についても取り決めておくことが大切です。

しかし、養育費を取り決める際に揉めてしまったり、養育費についての取り決めが口約束で相手が支払わなくなる場合もありますよね。

そういったケースでは、「養育費調停」で第三者を挟んで取り決めることで、養育費の金額が決まりやすくなったり、支払いの強制力を強めることができます。

養育費調停とは、どんな流れで行われ、調停をするには何が必要なのでしょうか。今回は、養育費調停について解説していきます。

養育費調停に入る前に、まずは夫婦で話し合い

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子どもの養育費は、基本的に子供が成人して大人として自立できるという年齢までに必要な費用などを、子供と同居していない親が支払うものです。

離婚すると決断したら、子どものためにもこの養育費について話し合って取り決めなくてはいけません。

養育費の取り決めの際に養育費の相場などを調べたい方は下の関連記事をご覧ください。

口約束でとどめないで!養育費の取り決めについて「公正証書」を作成

養育費についての取り決めることは以下の通りです。

  1. 金額:いくら養育費を支払うか
  2. 支払い期間:こどもがいくつになるまで支払うか
  3. 支払い方法:養育費は一括払いと分割のどちらにするか

以上、3点は親同士の合意さえあればどんな方法で取り決めても良いのですが、合意がとれたら「公正証書」を作成することを忘れないで下さい。

公正証書とは第三者が間に入ることによって養育費の支払い効力を増す証書です。お近くの公証役場で作ることができます。

公正証書があれば、仮に養育費が支払われなくなっても、裁判所を通して養育費の支払いを勧告・命令をすることができます。

親同士で養育費の金額、支払い方法、支払い期間を取り決めることができれば理想ですが、話し合いがこじれてしまった場合は家庭裁判所での「養育費調停」を使うのも一つの手段になります。

話し合いがこじれてしまったら養育費調停へ

それでは、ここからはこの記事の本題、「養育費調停」についてご紹介していきます。

「養育費調停」は、家庭裁判所で、離婚する二人の間に第三者である調停委員や裁判官が入って開かれます。

調停委員や裁判官は、養育費の金額や相手の収入などを把握して、解決案を提示してくれたり、解決のために必要な助言をくれます。この助言に基づいて、二人の間で合意を目指し話し合いが進められます。

この「養育費調停」を利用することができるのは、大きく分けて次の3つの場合です。

  • 離婚時に養育費についての話し合いでこじれた場合
  • 再婚や子どもの進学などで養育費の増減変更をしたい場合
  • 養育費について夫婦で話し合ったのに、相手が養育費未払いになってしまった場合

また、養育費調停はあくまで双方の合意を目指したもので、家庭裁判所に申立てさえすれば希望通りの養育費が受け取れるというわけではないので気を付けてください。

養育費調停の申立てに必要なもの、かかる費用について

養育費調停 申立て

養育費調停を行うにあたって、まず、家庭裁判所に「養育費調停を行いたい」という申立てをします。

また、養育費の額は家庭によって異なるので、自分の給料など「養育費がこれだけ必要である」ことを示す証明となるものを集めなくてはなりません。

家庭裁判所で養育費調停の申立てに必要な書類、費用について解説していきます。

養育費調停の申立てに必要なもの

家庭裁判所へ申立てをするときには必要書類を準備しなければいけません。

下のリストを見て、不備がないようチェックしましょう。

必要書類 入手場所
申立書及びそのコピー1通 家庭裁判所または裁判所HPでダウンロード
対象となる子の戸籍謄本 お住まいの市町村役場
源泉徴収票のコピー 勤務先
給与明細のコピー 勤務先
確定申告書のコピー 勤務先または税務署
非課税証明書のコピー お住まいの市町村役場

また、審理のために必要な場合は、追加書類の提出をお願いされることがあります。

下の図は申立書の記入例になります。参考にしてみてください。

養育費調停 申立書 記入例

家庭裁判所への提出で必要な申立書は裁判所へ1通、相手方へ1通の計2通となりますが、自分用の控えとして、計3通用意しておきます。

養育費調停の当日に話し合いの争点を確認するためにも、自分の手元に1通用意しておくことは大切だからです。

また、その他の提出物のコピーも自分で内容を把握するためにも取っておいた方が良いでしょう。

養育費調停の申立てにかかる費用

家庭裁判所に養育費調停の申し立てをするときに、申立て費用として約2000円程度かかります。子どもの人数によって異なりますので以下、内訳をご覧ください。

  • 収入印紙1200円分(子ども1人につき)
  • 連絡用の郵便切手

連絡用の郵便切手は各家庭裁判所によって異なるので、家庭裁判所に申立書を取りに行くときに窓口で聞くか、家庭裁判所へ電話で確認してください。およそ800円~1000円程度とされます。

例えば、東京家庭裁判所では合計1,022円分、札幌家庭裁判所では合計784円分が、申立てる際の郵便切手代としてかかります。

養育費調停の流れ

養育費 離婚

必要書類と費用の準備ができたら、次の図のような流れで養育費調停を行います。

 

養育費調停 流れ

それでは、順に解説していきます。

①管轄の家庭裁判所に申立て

養育費調停を行う際に、申立て先の家庭裁判所はどこでもいいわけではありません。

  • 相手方の住所地の家庭裁判所
  • 当事者二人が合意で定める家庭裁判所

以上のどちらかが養育費調停の申立て先となります。

例えば、離婚後に妻が東京23区内に住んでいて養育費調停をしたい場合、夫が千葉市に住んでいたら、妻は「千葉家庭裁判所」に申立てを行う必要があります。(その他の裁判所の管轄区域を調べる

申立て先の裁判所が分かったら、次に申立書と必要書類を管轄の家庭裁判所に提出します。

養育費調停の申立てにあたっての必要書類の提出方法は二つあります。

  • 直接、家庭裁判所へ持参
  • 家庭裁判所へ郵送

家庭裁判所によって昼休みの時間や夜間受付など若干の違いがありますが、どの裁判所でも受付開始は8時30分ないし9時、終了時間は17時となっていることが多いです。

平日に仕事があって直接裁判所へ持参する時間が取れないという方は、郵送で提出することも可能です。

その場合、申立書を作成し、手数料(収入印紙)、郵便切手、必要書類を添えて、各家庭裁判所の受付窓口あてに郵送してください。

②第1回の調停日決定

申立書と必要書類の提出が完了したら、家庭裁判所が調停日のスケジュールを決めます。

基本的には、裁判官や調停委員の予定などの家庭裁判所側の都合で「第1回調停期日」が決定されます。

家庭裁判所が調停期日を決定したら、申立てをしてから1~2週間後に茶封筒で当事者に「調停期日呼出状」が届けられます。

呼出状には、養育費調停の期日、場所と注意事項が書かれています。

呼出状の内容を確認した後も、調停当日に持参するため、無くさないように保管します。

【もし、調停日初日がどうしても都合がつかなかったら?】

調停日初日の決め方は一方的なものになるので、どうしても外せない予定と被ってしまうかもしれません。

可能な限り調停を優先させるべきですが、どうしても出席ができない場合は、申立てをした家庭裁判所に電話をして調停期日を調整することができます。この場合は速やかに連絡するようにしましょう。

③調停期日

裁判官1名と調停委員2名(多くの場合、男女1名ずつ)が、申立人と元配偶者のそれぞれの話を聞いて仲裁します。

裁判官ははじめの手続きの説明のみに同席し、その後は調停委員のみで調停を進めていくことがほとんどです。

④調停の終了

養育費調停は大体、月に1度のペースで行われ、回数はケースによります。

調停は以下の3つのいずれかの形で終了します。

  • 成立
  • 不成立
  • 取り下げ

養育費調停を通しての話し合いで養育費の取り決めについて親同士が合意したら「成立」、合意しなければ「不成立」になります。不成立の場合は、裁判所の「審判手続き」へ自動的に移ります。

または、養育費請求調停を申し立てた側が、納得や諦めなどからもう調停を続けなくていいとなった場合は「取り下げ」となります。

この場合は申立て人が「取下書」を家庭裁判所へ提出し、養育費調停が終了します。取り下げに相手方の同意は不要です。

調停期日当日の1日の流れ

流れ 養育費調停 当日

養育費調停をスムーズに開始するためにも、当日準備することを事前に確認しておいておくことが大切です。

準備するものがイメージ湧きやすいよう大まかに調停期日当日の1日の流れを説明します。

①受付

まず、家庭裁判所に行きます。呼出状で指定された部屋へ向かい、そこで受付を済ませます。ここで呼出状の提出と免許証などで本人確認を済ませます。

②調停の説明と質疑応答

調停委員の準備が整ったら申立人から調停室に呼び出されて、調停室にて話し合いを進めていくことになります。

調停室は、小さな会議室のような個室です。裁判のような公開の場ではありません。

調停室には、通常、男女1名ずつの調停委員2名が待機しています。裁判官が同席することもありますが、基本的には調停委員に対して、同じテーブルを囲んで話をしていくことになります。

第1回調停期日では、調停に関する説明からはじまります。その後、申し立てた経緯や理由についての質問がありますので、丁寧に答えるようにしてください。

③待合室で相手方を待つ

調停室で30分程度話し終えたら、待合室に戻ります。その後、相手方が呼び出され、調停室にて同様に話を行います。これを2往復くらい繰り返しますが、1度にかかる時間は2時間程度です。

話し合いの内容が多い場合には、お昼過ぎからはじめて夕方までかかることもあります。

④今後のスケジュール確認

調停が終了する際、次の調停期日をスケジュール決めするとともに、調停委員から次の期日に話し合いで必要な資料などを提出するよう促されることもあるので忘れないようにメモを取っておきます。

第2回目以降の調停期日についても1回目と同様な流れで進んでいきます。

養育費調停での服装や持ち物は?当日の注意点

家庭裁判所 養育費調停 当日

養育費調停で初めて家庭裁判所へ行く方もいらっしゃるかと思います。前述の調停期日の1日の流れと合わせて、調停期日の当日の持ち物や注意点を確認しましょう。

服装

服装については、特に決まりはありません。

普段着と仕事着のどちらでも良いですが、清潔感のある身だしなみをすることが大切です。

持ち物

養育費調停当日に持っていく持ち物は以下の通りです。

  • 申立書のコピー
  • 調停の呼出状
  • 身分証明書(運転免許証など)
  • メモ用紙・筆記用具
  • 手帳(スケジュール帳)
  • 印鑑(朱肉)
  • 自分の銀行口座番号のメモ
  • 本・雑誌・スマホ等

調停の呼出状、身分証明書は一番最初の受付の時に必要になります。

養育費調停初日で養育費について親同士双方が合意した場合は、成立となり、調停が1回で終了することになります。いつ調停が終了してもいいように、印鑑や養育費の振込先となる口座番号のメモもあらかじめ持参します。

調停室ではメモと筆記用具の持ち込みは可能なので話した内容をメモとして残しておくと2回目以降の調停で役立つかもしれません。また、次回の調停の期日を決めるときに自分の予定が分かるスケジュール帳を持っておくと便利です。

待合室での時間が長くなることも考慮して、暇つぶしのものとして本などを持っていくことをオススメします。

子どもを家庭裁判所に連れてくる場合

原則、調停は平日の昼間に行われます。子どもが乳幼児だったり、保育園などに通っていない場合はどうすればいいのでしょうか。

養育費調停は長時間になる恐れがあるため、可能ならば親戚や一時保育所に預けるのが理想です。この場合、調停期日が分かったら、前もって預け先を確保しておくことが大切です。

しかし、預け先が確保できない場合もありますよね。この場合、二つ方法があります。

  • 連れ添いに来てもらい待合室で一緒に待機してもらう
  • 調停室に同席させる

多くの家庭裁判所にはベビーベッドや授乳室が整っていて、また、絵本が置いてある家庭裁判所もあります。親戚や友人など連れ添いの方がいればそこで子どもと一緒に待ってもらうことも可能です。

付き添いも頼めない場合は、子どもを調停に同席させるしかありません。

ただし、調停に同席することがお子さまの負担になる可能性や、話し合い、調停に集中できないなどの弊害が生じる可能性がある点、また、相手が子どもに会う恐れがあることも十分ご注意ください。

 

また、養育費調停では時間厳守など社会人としての常識マナーが求められます。

日時の確認と交通機関を利用する際は、時間にゆとりをもっておくことが大切です。

調停でも養育費の支払いが決まらない場合は?

裁判所 審判 養育費

前述の養育費調停の流れにもありますが、養育費調停で養育費について決まらなかった場合は、裁判所の「審判手続き」へ自動的に移ります。

養育費調停を飛ばして審判へ行くことはできません。以下の場合のみ審判手続きに移ることができます。

  • 養育費調停で「不成立」となった場合
  • 養育費調停に相手がこなかった場合

相手が家庭裁判所からの呼出状を無視して調停期日を無断欠席した場合も、養育費調停は「不成立」となり、審判手続きとなります。

審判手続き

審判手続きとは、裁判官が、当事者から提出された書類や養育費調停の結果などの資料にもとづいて、判断する手続きです。

養育費の金額や支払方法について調停による合意ができなかった場合、裁判官が審判により、その金額などを決めることになります。

審判で裁判所が間に入っての養育費の取り決めは終了とされます。

なお、相手方が審判で定められた支払いを怠った場合は、強制執行の手続きをとることができます。

養育費調停にはしっかりとした準備を

子供 息子 シングルマザー

お子さんを育てていくためにも大切な養育費。

話し合いがこじれてしまったり、相手が応じない場合、養育費調停を通じて、第三者に間に入ってもらってもらうのも一つの方法です。

養育費調停を行う場合、決して少なくない労力がかかるので、納得のいく形で金額が決められるようにしっかりとした準備を心がけてください。

 

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