50代で熟年離婚を経験した元妻のTさんに、離婚に関するお話を伺いました。
性格の不一致で、夫婦関係はずいぶん前からよくなかったそうです。
お互い離婚という言葉は頭の中にあったものの、そのまま迎えた結婚25年目。
離婚を言い出したのは、男性側だったそうです。
【離婚時のプロフィール】
- 妻(Tさん):50代後半
- 元夫:50代前半
- 離婚までの結婚期間:25年以上30年未満
- 子供:28歳と24歳の子供2人
- 離婚種別:調停離婚
- 財産分与:マンションの残りのローンと名義
互いに愛情は尽き、家庭内別居のような状態が続いていた
Q.元夫との出会いから結婚に至るまでの流れを教えてください。
共同経営で自営業をしていた私のお店に常連客で来ていたのが元夫です。
その時は、普通にお客さんという感情しかありませんでした。おとなしくて無口な人そういう印象でした。
私が、お店をやめ、彼氏とも別れ、引っ越しをして寂しさからふと思い出したのが元夫でした。
何度か会ううちに、付き合うようになり、週末に会うくらいならいっそ同棲してしまおうと一緒に生活するようになりました。
そして、一年くらいたった時妊娠に気付き入籍しました。(結婚式は挙げていません)
Q.離婚を考え始めた原因は何ですか?
おとなしくて無口な印象が長く共同生活していると逆に退屈に感じ、元々好みのタイプでもなかったので、徐々に愛情がなくなっていきました。
おまけに子供に対してもあまり父親らしいことをしてくれず、何処かに連れくいくわけでもなく、かわいそうに感じた私が、たまに映画に連れて行ったりしました。
自分の趣味には、積極的になるが、家庭のことには渋々参加、おまけに車の運転を頼むと「俺は、運転手じゃない‼」と文句を言う。
楽しくない生活、プレゼントなんてもらったこともない。細かい不満がたまり、いつしか貌を見るのも嫌になりました。
子供をかばったときも私を突き飛ばしたり、女性や妻に優しさもない見た目はおとなしそうに見えるが(無口だから)内面は結構冷酷な人間だと思うと嫌になりました。
性格の不一致から始まった家庭内別居のような生活。
無会話・無関心、お互いずっといつ離婚しようか考えているのがわかりました。
そんな中、切り出してきたのは、夫です。
マンションを売って田舎に帰る・・・・と。離婚には、私も賛成でしたが、恥ずかしながら、子供たちに問題がありました。
長男は、強迫性障害を4年くらい治療してアルバイト、長女は派遣社員、二人とも親に頼り切りの生活です、もちろん一人暮らしなんてできるほど収入がありません。
子供たちは、母親である私と一緒にいたいと言います。
私の収入だけでは、とても生活できません。
なので、マンションを私の名義に変更して譲ってほしいと話しましたが、高く売れると思った元夫が聞くはずもありません。
マンションを売りたい夫 vs マンションに住み続けたい私と子供達
Q.離婚に至るまでの流れを教えてください。
お互いの意見があわず、夫は、家庭裁判所に調停をおこしました。
一度目の調停は、毎回いうことが違う夫の意見に調停員さんも困って、不調になりました。
このままでは、離婚できないと思ったのか、夫は突然いなくなりました。
給料も入れず、ローンも一切払わず・・・代わりに私が払っていましたが、連絡も取れず、居場所もわからず、いろいろ探し、田舎の職場を探し当てました。
職場に連絡を取りましたが、当然本人から返事はありません。
困り果てた私は弁護士を雇い、二度目の調停を起こしました。
弁護士を雇うと、話はスムーズに進みました。
マンションの残りのローンを私が払い、名義も私にする、そのうえで離婚する。
一度目の調停から半年かかりました。
Q.離婚交渉で最も苦労したことは何ですか?
毎回、言うことが変わる夫の意見、自分から出て行ったのに、マンションを売って自分の取り分をもらいたいそんな夫は、あれこれと文句を言ってきます。
しかし、弁護士さんが、フォローしてくれて、結局は、裁判官がマンションのローンの残債を私が払うので名義を私に渡すことで離婚することが決まりました。
貯金も「俺の取り分は、どうなる・・・・」と言っていました。お金のことが一番もめますね。
愛情は、とうにないのですから、あとはお金だけです。金の切れ目が縁の切れ目・・・とは、よく言いますね。
ほとんどが夫名義のものだったので、離婚後の名義変更が大変だった
Q.離婚にあたって不安はありませんでした?
私の収入だけで生活できるか?子供たちは、私を頼らず自立できるようになるのか?もう若くないわ私がいつまで健康で働けるか?仕事は、年齢で解雇されないか?
親としてしっかりすることはできますが、経済的なことがとても不安でした。
私に何かあったら・・・と思うと、後のことが心配で心配で。
この先、マンションのローンを払い続けて普通に生活できるのか毎日毎日いい方法を考えていました。
仕事も毎日もっと給料のいい仕事を探しました。
Q.離婚の中で最も大変だったことは何ですか?
マンションのローンの借り換えと名義変更の手続きです。
どうすればよいのかわからないので、専門の業者の方に依頼しました。
何度も役所に行ったり銀行に行ったりです。なかなか細かいですね。
それと、子供の氏の変更もありました。(子供たちは、元夫の戸籍に残りたくないというので)
家庭裁判所へ書類を提出したり。とにかく、役所へ何度か足を運ばなければなりません。
離婚決定した後も、夫のマンションへの未練はあり、業者さんへウダウダと話していたそうです。
離婚決定から、マンションのローン・名義の手続き完了まで2ヶ月くらいかかりました。
Q.離婚前にしておいてよかったと思うことはありますか?
Wワークして夫に内緒でためたヘソクリです。
弁護士費用、マンションのローン等の変更の業者さんへの費用、ローン組み換えの諸費用、ローンの組み換え完了までの不足の生活費補填等、お金がかかりました。
お金は、あればあるほど助かります。
分譲マンションがなければ、面倒なこともなくもっとスッキリ話が進んだかもしれません。ローンがなければ・・・・と何度思ったか。
家以外にも、主に自分が使うものだったら自分名義にしておけばよかったと、私が使っている車、保険などすべて変更しなければなりません。
意外と沢山あります。子供たちの保険もそうです。
Q.最後に離婚してよかったと思いますか?
今は、夫には恨みしかありません。
でも、顔を見なくて済むようになって、毎日嫌な気分になることがなくなりました。
毎日生活に一杯ですが、子供たちと三人で協力し合って生活しています。独りぼっちな生活より、大変だけど家族三人で片寄せあって頑張ることが今の目標です。
高齢になった私が、いつまでちゃんと働けるか不安はありますが、毎日夫の顔を見なくて済むのかと思うと、とても精神的に頑張る気持ちがわいてきます。
一人じゃないから、子供たちが近くにいて協力してくれるから。