未婚のシングルマザーが養育費を請求するには?認知の方法と必要書類を紹介!

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2015年度の国勢調査によると、国内のシングルマザーのうち、およそ18万人は未婚だそうです。しかも、その数は年々増加しています。

未婚のシングルマザーの場合、婚姻歴のある方と比べて父親の有無により「養育費」の点で大きく異なります。一体、どういうことなのでしょうか?

今回は未婚のシングルマザーの方が養育費を請求するまでの流れを解説していきます。

子どもを認知することによってできること2つ

父 離婚 子供 海「認知」という言葉は耳にしたことはあるかもしれません。

認知とは、「法律上の婚姻関係によらず生まれた子どもを、その父または母が自分の子どもだと認める行為」のことです。この認知があるのとないのでは何が違うのでしょうか。認知があることによって、以下2つのことが発生します。

  1. 扶養義務
  2. 相続関係

順に詳しく見ていきましょう。

①扶養義務

扶養義務とは、自力で生活を維持することが困難な者の生活維持のために、必要な支援・援助をする親族間の義務のことを指します。

認知の非常に大きなメリットとして、養育費が請求できるようになることがあげられます。そもそも、親は子どもを扶養する義務があります。その扶養義務を具体化したものが養育費の支払いです。

養育費の実際の金額は、両親双方の話し合い、または、家庭裁判所の調停や審判といった手続きによって、父親の収入と母親の収入、そして、子どもの人数や年齢などの様々な事情を考えて決定されます。

②相続関係

認知により法律上の親子関係になるので、もし父親に不幸があった場合、子どもには、その遺産を受け取る権利、つまり、相続権が発生します。

また、祖父が亡くなる以前に、父親が死亡した場合、父に代わって孫となる子どもが祖父と相続人となるようなケースも。

子どもを認知する場合の方法は2つ

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認知をすることによって、子どもへの養育費の支払い、または相続ができることが分かりましたね。認知をしたい場合は2つ方法があります。

  1. 任意認知
  2. 強制認知

なお、認知しなくても養育費を支払うなどのケースは今回は除きます。任意認知、強制認知について順に詳しく見ていきましょう。

①任意認知

任意認知とは、父親が自分の意思で自発的に子どもの父親であることを認めることを指します。妊娠時や出産時の話し合いが可能で、相手方も父親であることを認めれば任意認知となります。

任意認知は、父親自身が市区町村役場に「認知届」を出して行います。

②強制認知

強制認知とは、父から任意に認知をしてもらえない場合に、裁判所を通じて強制的に認知させる制度です。「裁判認知」とも呼ぶそうです。

強制認知の手続きは、家庭裁判所に認知を求める調停を申し出ることから始まります。

ここからは、父親が認知を認めない場合にとる「強制認知」の方法について詳しく説明していきます。

強制認知の方法と必要な書類、お金

調停 流れ子どもの父親だということを認めなかった場合は、強制認知になります。具体的には、相手方の住所のある裁判所に申立てを行うこと、つまり「認知調停」の制度を利用します。

この調停において、当事者双方の間で、子どもが父の子どもであるという合意ができ、家庭裁判所が必要な事実の調査などを行ったうえで、その合意が正当であると認められれば、合意にしたがった審判がされます。

認知がされると、出生のときにさかのぼって法律上の親子関係が生じることになります。

認知調停の流れ

認知調停は、平日に行われ、1回の時間はおおむね2時間程度です。流れは以下の通りです。

  1. 相手方の住所のある家庭裁判所へ申立て
  2. 期日の連絡が郵送で届く
  3. 調停期日
  4. 鑑定
  5. 調停期日
  6. 合意に相当する審判or調停不成立により調停終了

申立人待合室、相手方待合室でそれぞれ待ちながら、交互に調停室に入ります。調停委員が中立の立場で、双方話を聞きながら話し合いを進めていきます。

裁判所における手続においてDNA鑑定が行われる場合、鑑定をする機関は裁判所が選定します。DNA鑑定を行う機関の職員が裁判所までやってきて、親と子(及び双方代理人)の立ち会いの下で試料の採取を行います。試料は、口の中に綿棒状の物を入れてホホの内側あたりの粘膜を採取します。

結果がでるまで2~3週間かかります。

鑑定結果により相手方が子どもの父親と認め、お互いの話し合いが成立した場合は、調停を「取り下げ」て終了させることもできます。調停が不成立の場合は、裁判へ進み、審判となります。調停や資料をもとに裁判官が決定を下して終了となります。

認知調停の必要書類

認知調停において、必要な書類とその入手先は以下の通りです。

必要書類 入手先
申立書 コピー3通 裁判所窓口または裁判所HP
子どもの戸籍謄本(全部事項証明書) 本籍地のある市区町村役場窓口
相手方の戸籍謄本(全部事項証明書) 本籍地のある市区町村役場窓口
母親の戸籍謄本(全部事項証明書)※ 本籍地のある市区町村役場窓口
子どもの出生証明書コピー※ 母子手帳 再発行の場合は子どもが生まれた病院

※母親の戸籍謄本と子どもの出生証明書のコピーは、離婚後300日以内に出生した出生届がまだ未提出な子どもに関する申立ての場合に必要になります。

離婚後300日以内に生まれた子どもは原則として、元夫の子どもとなります。そこで、元夫との間の子どもではないことを証明するためのものとして、出生証明書などが必要になるのですね。

元夫がいないなど当てはまらない場合は申立書3通、子どもと相手方の戸籍謄本のみが必要な書類です。

申立書は、裁判所・相手方に送る分が、裁判所への提出になります。自分の手元にも同じもののコピーの計3通を用意しましょう。こちらは、申立書の記入例です。

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記入例の申立ての理由に交際時期や出産日が記入されているように、客観的な情報になる日時は書けるように、スケジュール帳などで確認しておきましょう。

戸籍謄本は、お住まいの住所ではなく、本籍地のある市区町村役場での請求になるので注意してください。戸籍謄本は原則3か月以内に発行されたものが必要となります。役場に直接出向いて戸籍謄本を請求する際には、こちらが必要になります。

  • 印鑑
  • 請求者の本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)
  • 手数料 450円/1通

また、調停中に他に必要となる書類が追加される場合があります。

認知調停でかかる費用

かかる費用はおよそ2000円前後、DNA鑑定をする場合は10万円以上にもなります。内訳は以下の通りです。

  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の郵便切手(都内の家庭裁判所の場合は計1000円分)
  • DNA鑑定の場合、約10万円

連絡用の郵便切手の詳しい額については、申立先の家庭裁判所で確認してみてください。

認知調停中に、親子の関係があることを明らかにするために、DNA鑑定を行う場合もあります。

裁判所でおこなわれるDNA鑑定の費用は約10万円程度です。その中には採取のための職員の出張費なども含まれています。この場合、原則として申立人がこの鑑定に要する費用を負担することになります。

DNA鑑定がある分、他の調停とはだん違いに費用がかかることが分かりますね。

認知届を提出したら、認知完了!

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父親が自発的に認知届を出す「任意認知」にしろ、調停による「強制認知」にしろ、最終的には届出対象者の本籍地または届出人のお住まいの市区町村役場に「認知届」を提出することになります。

認知届提出のタイミングによって必要な承諾

子どもには保護要件というものが設けられています。もし相手方が父親だと主張しても、タイミングによっては以下の要件を満たさなければいけません。

  • 子どもが20歳以上の場合→子ども本人の承諾
  • 子どもが胎児の(母親のお腹の中にいる)場合→母親の承諾

必要書類

認知届を市区町村役場に提出する際は、認知届と本人確認書類、そして場合によって以下の必要書類が必要になります。なお、提出の際には手数料などの費用はかかりません。

全員の必要な書類
認知届
本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
場合によって必要な書類
強制認知の場合 審判または判決の謄本および確定証明書
子どもが成人の場合 子どもの承諾書
子どもが胎児の場合 母親の承諾書
本籍地以外で届出の場合 子ども、父親の戸籍謄本

認知届は届出先の窓口もしくは届出先によってはHPでダウンロードできるものもあります。こちらは兵庫県加西市の認知届の記入例です。参考にしてみてください。

認知届 記入例

提出期限

認知届を提出するタイミングは以下の通りです。強制認知の場合は提出期限があるので注意してください。

  • 任意認知→認知する日
  • 強制認知→裁判確定の日から10日以内

認知調停や裁判で審判があった日から10日以内に提出ということで、あまり期間がありません。終了した日にそのままの足で提出できればしてしまったほうがよさそうですね。

認知した後も養育費が支払われなかったら?

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任意認知にしろ、強制認知にしろ、相手方が子どもの父親であると認めた場合は、扶養義務が発生するので養育費の支払いは義務になります。

とはいっても、将来養育費が支払わなったらどうしようと不安な方もいらっしゃるかもしれません。そこで、令和2年4月からの法改正により、養育費の請求の強制力があがりました。

効力を発揮するためにも、養育費について取り決めが行われたら公正証書をはじめとした法的拘束力のある文書を作成しておきましょう。

養育費を請求するにはまず「認知」をしてもらう

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いかがでしたか?未婚のシングルマザーが養育費を請求するにはまず父親が「認知」することが必須でした。DNA鑑定をする場合は、10万円相当の額を負担しなくてはいけなくなるため、よく相手方と話し合うことが大切ですね。

養育費は子どもにとって権利になります。子どものためにも婚姻歴にかかわらずすべてのシングルマザーに養育費が行き渡るようになることを願っています。